アルバイトの人手不足と賃金

現在、都内ではアルバイトの人手不足が深刻なようで、多くの小売業が苦しい状況に立たされています。経済学の観点でいえば、人手不足(=供給不足)であるならば、求める側の雇用主はアルバイト応募時の時給を上げてでも呼び込みを測るのですが、現実はそうはいっていません。というのも、小売業の一番の出費は人件費であり、新たに募集する新規バイトの時給を高く設定してしまうと、既にいるバイトの時給もそれに引きずられる形で上げざるを得ず、経営が成り立たなくなってしまうからです。例えば時給1,000円を1050円に上げることすら現実は難しいようです。具体的に計算しましょう。1日8時間、週5日働くパートタイマーであれば時給が50円上がれば月に受け取る賃金は合計で8,000円変わります。これが一人や二人ならまだしも、何人にもなると数万円の支出増です。たかが、50円ではなくされど50円の世界です。こういった事実からもいかに現在の日本が表向きはまだ大丈夫なようでも裏では苦境に立たされているかが如実に推し測ることができてしまいますね。